幹の剪定痕の行く先

街路樹診断をしていると、幹に大きな剪定痕をよくみます。大枝を付根から切除した結果、樹皮が欠損した状態となっています。近年、イチョウやプラタナスではこぶ状になった部分をチェーンソーで切除しているものもみられるようになりました。

実は、このような大きな剪定痕は樹木の将来性を著しく損ねる原因になっています。多くの場合は傷口が巻込んで癒合するのですが、樹勢が悪かったり傷口に腐朽菌が侵入した場合は将来的に幹内部が大きく空洞化し、幹折れの危険性が高い街路樹になってしまいます。また、傷口が癒合した場合でも、内部に腐朽を内包してしまう可能性があるため注意が必要です。

樹形を形成するにあたり、将来的に支障枝になりそうな枝については剪定痕が小さくなるように細いうちに切除して早期に傷口が癒合するように剪定を行う事が大切です。

私達人間にとっても皮膚は外部から体内に悪い菌を取り込まないような役割があるように、樹木にとっても樹皮というのは外部から身を守るための第一線の防御機能を持っています。

幹の大きな剪定痕

一度樹木の内部に腐朽が侵入してしまうと、容易に取り除けるものではなく、腐朽の進行に注意をして経過観察の継続が必要となってしまいます。健全な街路樹を維持するには、大きな剪定痕を作らない事がポイントです。

模式的な画像をもとに剪定痕から危険木に変化する様子を説明すると、

このように何気ない日常の剪定作業が10年後の危険な街路樹を作っている可能性があるため注意が必要です。

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